近江商人の商法(三方よし)はWood-Mizer製材機で。中山間地域の生業づくり。

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Omi merchant's commercial law (Yoshi Mikata) is a Wood-Mizer sawmill. Creating a livelihood in the hilly and mountainous areas.

自社に利益を残しながら、お客さんにもできるだけ低価格で建材を提供するには、仕入れを安くしないといけない。次に取り掛かる建築工事に向け、約35㎥ほどの丸太を仕入れ、一カ月ほどかけて製材をした。そして製材された材木は、約一年間かけてじっくりと自然乾燥する。大量の丸太を製材した感想は、誰でも製材機があれば製材という生業づくりが成立するということだ。例えば、一人作業で丸一日作業すれば、最低1.5㎥~2㎥の丸太は製材できる。製材を外注に出したとすれば、1.5㎥~2㎥なら3万円~5万円はかかる。それを自らが作業すれば、必要経費を差っ引いても製材業としても通用する。製材機と鋸の研磨機や諸々、購入しても約200万の初期投資で製材所が開業できる。建築業でなくても、木を伐って市場に売って生計を立てている自伐林業家の方が製材をすれば、材の仕入れが極端に安いので我々建築業以上の収益を見込める。

今まで材木の流通過程では、川上から川下まで多くの業者の手をくぐり、お客さんの元へと商品が届く。実際のところ一番要らない中抜きの商売も存在するので、エンドユーザーは不要なお金を支払っていることが多い。

しかし、大工や工務店や自伐林家がWood-mizer社の製材機を手にすれば、原木が商品になる工程の中での中抜き商売を減らすことができ、適正価格でエンドユーザーの元へ商品が届くようになる。売り手(山)は仕事が増え利益も生み、買い手(顧客)は良材が低価格で手に入り、身の回りの地域材が動くことで山の手入れや整備も進む。Wood-Mizer製材機は、近江商人の商売の基本になる「三方よし」の商売が可能になる機械である。

先進国では人口減少の先陣をきる現代日本。中でも田舎では人口流出が止まらない。その上、コロナ禍で、これまでの社会構造は大きく変わってしまった。これからは分業化された人や事業は成り立たない。つまり、一つの事しか出来ないということは淘汰の対象で、木に関わる職業は、立木から最終の製品、そしてオサマリまで幅広く対応出来なければ、生き残れない。まさにWood-Mizer社の社是である(from forest to final form)である。

私は大工なので、消費者がどんな材が欲しいか、製材機の据え方や材をとりまわす動線、材のストックの仕方等々、アドバイスが出来る。林業家の人は山にどんな木があるか、データベースを持っている。それこそ川上と川下が手を組み、一連の流れを一緒に考え日本の山の再生を考えていきたい。

兵庫県宍粟市一宮町  小川建築 代表小川芳治

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